この「半分」 というのも大まかな目安に過ぎない。
儀式中に舞踏が入って運動会並に動く事もあれば、 殆ど眠っているのに近い状態で瞑想する事もあるのだ。
ある種の特別な瞑想法を行う時には 「背骨を伸ばす」 という原則に従わない事もある。
例えば、東洋医学の「経絡」を流れる「気」の方向に、 リラクゼーションと共に 「凝り」や「緊張」 を「流して」いき、 手先や足先までもって行く様にイメージするとかなり効果的である。 最終的にはそこから手先or足先の細かい動作で 「凝り」や「緊張」 を体外に流し出す様な感じになる。
或いは中国拳法でいう所の 「含胸抜背」 は背骨の肩から上の部分を伸ばす為の諺としては最高のものであろう。
背骨を伸ばす為、寝ながら行う時は枕は使わない事。 頭の座りが悪い場合はタオルを巻いて首の付け根の後ろに置いて枕の代わりにすると良い。
リラクゼーションの詳細については各魔術入門書を参照してもらいたいが、 Web上の文書では 「ANIMA MYSTICA」にある 「初歩の訓練」 に丁寧な解説があるのでお勧め。
学校や会社の朝礼等で所謂 「気を付け」 の姿勢を取った人が沢山並んでいるのを見ると分かると思うが、 胸を張り過ぎて所謂「鳩胸」になっている人や逆に妙に縮こまって首が両肩の間に埋まっている人等、 結構いい加減な姿勢を取っている人達が殆どである。
バレエや武術等で訓練を積んでいる人以外は、 一口に背骨が伸びた姿勢といっても案外と分かり辛いものなのだ。
人によっては飛び上がる程のショックを受けるので注意が必要である。
だから内臓の病気を持っている人はやらない方が良いかも。
妊娠中の人は絶対駄目。
蹴りを入れれば内臓破裂を起こして死ぬ様な急所である事をお忘れなく。
ところで某カルト教団の 「シャクティ・パット」 ってこの手の急所(orチャクラ)を刺激する方法ではないか? と考えているのですが、 何方かご存じの人、いませんか?
20世紀最大の魔術師、 アレイスター・クロウリーが出版した百科辞典大で豪華装丁の同人誌。全10巻。 最近2巻本にまとめられて出版されている様だが、 どデカイ事には変りないらしい。
多くの魔術入門書では
「この部分を意識しろぉー、リラックスさせろぉー」
と口を酸っぱくして言っているが、
これが初心者には結構難しい。
人体解剖図を見ていただければ分かるが、
この部分には筋肉は無い。
神経は頭蓋骨の上を通っているが、
人体の他の部分の様に、
単純にその部分の筋肉を動かして意識する方法が使えないのである。
人体解剖図を見ると、 この部分には頭蓋骨の各部分の継ぎ目がある事が分かる。 つまり、 この部分に刺激を与える為には、 頭蓋骨の各部分に付いている筋肉、 顔や首の筋肉全てを総動員して頭蓋骨の各部分を刺激する必要があるのだ。 言わば、 頭部及び頚部の筋肉のバランスによって成り立っているポイントとも言えるだろう。
本文でも述べているが、 この部分を意識する事は色々な意味で重要になる。
最初にこの部分に指圧など施してリラックスさせてから、 まだ指の感触が頭皮に残っているうちに、 首や肩の力を入れたり抜いたりしながら百面相をして自分なりのコツを掴むと良いだろう。
ただ単に物を乗せるだけなら、 頭の天辺よりやや前の平な部分とか、 或いは額とかの方が安定度は高いしバランスも取り易い。
これは曲芸の訓練ではなく、 魔術の訓練である事をお忘れ無く。
これの魔術的応用が所謂「中央の柱」になる。
男性で足の筋肉が発達している人は完全に膝を揃えるのが難しいかもしれない。
無理に揃えて緊張を作ってしまうのも問題なので、
爪先が揃っていれば、
両膝の間に拳一つ分位の間隔が開くのは許容範囲内だと思う。
瞑想中にはどの様な表情をしたら良いのか、
考えた事はあるだろうか?
瞑想とは難しい事を考える事だと思っている人は、
悟りを得る前のシャカの様な苦悩に満ちた表情を思い浮かべるかもしれない。
しかしながら、魔術作業にはリラクゼーションが不可欠であるので、
その様な緊張を呼び起こす様な表情は御法度である。
リラクゼーションの所で書いたが、
魔術におけるリラクゼーションとは肉体の眠った状態である。
電車の中でしばしばヨダレを垂らしながら居眠りをしている人がいるのを見た事がある人は多いだろう。
眠っている時には顔の筋肉が緩むので、
場合によっては涙や鼻水やヨダレをだらだらと垂らしながら眠る事もあるだろう。
瞑想行においても、
普段緊張を貯めている人は顔の筋肉の緊張を解くと上記の状態になる可能性は高い。
菩薩像の様な微笑を浮かべながら瞑想するのが理想なのだが、
顔の緊張を解く為にはとても人様には見せられない様な力の抜けた情けない顔をしなければならない場合もあるのだ。
背筋はシャキっと、 顔はジャンキーの様にだらしなく、 これが瞑想中のリラクゼーションのコツである。
肺の細かい動きまで止めようとするのは、 心肺に相当負担がかかるし、 リラクゼーションの面から言っても止めた方が良い。 おおまかな肺の形をとどめながら、 空気が自然に流れる状態にしておくのである。
ロドニー・オルフェウスは「ABRAHADABRA」の中で、 息を吸うとき四拍、止めるのに四拍、息を吐くときに八拍、 というように、 吐気の後の四拍の間も自然に吐き続けるやり方を勧めている。
また、
中には4拍どころか2拍止めるのも苦しい人もいるかもしれない。
そんな人は息を止める時間を減らすのも一つの手段だ。
慣れて来たら2拍或いは4拍に延ばせば良い。
念の為付け加えておくと、 数を数えるテンポは自分が一番楽に呼吸出来るものにすると良い。
とにかく無理をしない事。 必死で息を止めようとするのは最悪の方法だと肝に銘じて欲しい。
という様に腹式呼吸は内蔵を刺激するので、 出来るだけ大きくゆっくりと腹式呼吸をすると、 便秘等に効果がある。
勿論魔術作業中にはそんなに大きい呼吸をする訳ではないが、 お悩みの方は魔術作業以外の時に試してみて欲しい。
私の経験から言えば、 瞑想等でイメージが乱れた時、 四拍呼吸を意識するとコントロールが戻る事が多い。
逆に深いリラクゼーションを必要とする場合には、
四拍呼吸は逆効果になる場合がある。
眠れない時にリラックスしようとして四拍呼吸を行うと、
頭がさえて更に眠れなくなってしまうのだ。