多くの書物に書かれている事ではあるが、
魔術師になるのは実に簡単な事である。
「私(or僕or吾輩or俺様 etc.)は魔術師だ!」
と宣言する(或いは思い込む)だけ。
コレだけなのだ。
要するに、
魔術師になる事と魔術が使えるか否かという事は関係が無いのである。
いわば、テレビに出てくる「**評論家」みたいなものである。
英語検定や算盤検定の様な
公に認められた実力試験は魔術には存在しない。
所謂魔術結社という所ではその修行の度合に応じて位階を認定してくれるが、
色々な結社の間での流派の違いや結社そのものの実力の違い等によって、
それは単なる目安にしかならない。
また大方の魔術儀式は、
特別な場合を除いて殆ど主観の領域での経験が主になるので、
その可否は結局自己申告にならざるを得ない。
勿論或る程度の基準は存在するのだが、
悪く言えば「言った者勝ち」の世界になりやすいのである。
従って上記の宣言を行った後、 何も魔術をしなくとも、 他人に迷惑をかけずに楽しく魔術師としてその後の人生を過ごす事が出来れば何も問題は無いし、 或る意味で、 魔術師として最高の人生を送った、 といえるのだ。