師匠に弟子入りしなきゃいけないの?


僕は27歳の男で、 悩みがあります。 長年魔術に興味を持ち続け、 沢山の魔術の本を持っているのですが、 先生あるいは師匠が居ないまま実際の修行を始めてしまった、 という問題を抱えています。 師匠を探すべきでしょうか? 詰まるところ、 私は道を誤りたくないのです。

F市、トーマス・Bより

トーマスさん、こんにちは。

決して貴方は一人じゃありませんよ。 魔術に興味を持っているけれども、 正式な訓練を受ける機会を全然持たなかった人は沢山居ます。 思い出してくださいよ。 魔術師ってのは自分で自分を鍛えるものなんですよ。 挑戦することを恐れないで。 つまるところ魔術の技量を上げるためには、 重い腰を上げて訓練、 訓練、 訓練あるのみなんです。 貴方がやらなきゃならない基礎訓練の成果を授けることの出来る師匠なんて居ないですし、 冷たい水に頭から飛び込むことをさせない先生も居ないのですから、 貴方は「挑戦と失敗」を通して学ぶしかないのです。

貴方に必要なのは師匠じゃありません。 貴方に本当に必要なのは覚悟を決めて貴方自身の状況に立ち向かうための勇気です。 かつてマルティン・ルターは言いました。 「萎んだケツから幸せな屁はでない。」とね。 だから危険を担うことを恐れず、ひたすら挑戦してください。 森へ行って五芒星儀式を行い、 地の霊を召喚したり、 シジルに魔術の力を充填したりしてみなさい。 すぐに魔術が貴方の前で両手を広げて迎えているのが判ってきますよ。 でも、 貴方は自分自身で機会を掴まなきゃいけませんよ。

貴方が実践している魔術の技術の詳細について判らないことがあれば、 貴方より経験のありそうな人を探し出すか、 魔術のワークショップやセミナーに行きなさい。 そして二つのことを何時も念頭に置いておいて頂戴ね。 (1)弟子の準備が出来たときに、 師匠は自ずと現れます。 ともかく、 これは東洋の師匠達が常に言っていることです。 (2)「師匠」というものは、 とにかく触媒以上のなにものでもありません。 究極の目的に至るプロセスの引き金を引くモノ− つまり、貴方を実在の、 真実の師へと導くモノなのです。 そしてもしも前々から貴方がこの真実の師をこっそり垣間見たいと思っているのならば、 さっさと寝室に行って鏡を見なさい。

見守ってます!

クララおばさんより


訳注


訳者の弁明

Notes in English


目次に戻る