ベーデット(?、ハディート?)、偉大なる神、天界の主。
ラー・ヘルアクティ、神々の主。
オシリス、メントゥの司祭、テーベの主、カルナックのヌトの扉を開く者、 アンクー・フ・ナ・コンスー、義なる者。
雄牛、ガチョウ、ワイン(?)、パン。
オシリス(訳注1)にしてメントゥの司祭、 テーベの主にしてカルナックのヌトの扉を開く者、 アンクー・フ・ナ・コンスー、義なる者は語りき。
「崇拝せん、汝、高く賛美されし者よ、大いなる剛き者よ。 おお神々に彼の恐怖を与える真に恐るべき(lit:力強い、恐ろしい)『魂』(ba)よ、 汝の玉座の上で栄光に輝く者よ、『魂』(ba)と『霊』(yekh)と『影』(khabt)の為に道を開く者よ! 我は彼の者の如く用意し、前を照らさん。我はラー、トゥーム、 ハトホルの居る場所へと道を開かん。」
オシリスにしてメントゥの司祭、テーベの主にしてカルナックのヌトの扉を開く者、 アンクー・フ・ナ・コンスー、義なる者、MNBSNMT(原注1)の息子、 アモンに仕えるシストラム奏者アトネシェア(訳注3)より産まれし者。
オシリスにしてメントゥの司祭、 テーベの主たるアンクー・フ・ナ・コンスー、 義なる者は語りき。
「母より授かりし我が心臓よ、母より授かりし我が心臓よ、 地上に於ける我が心臓(原注2)よ、 私に逆らう証人とならないでおくれ! 『至高の判事達』(原注3)に引き戻したり、 『偉大なる神、西方の主』(原注4) の御前で私に逆らおうとしないでおくれ! 今や我は偉大なる『西方の大地』と一つになり、 最早『地上』で耐え忍ぶ事はない。」
オシリスにしてテーベに居し者、アンクー・フ・ナ・コンスー、義なる者は語りき。
「おお、唯一の者、月の如く (or月の中で) 輝く者よ! オシリスたるアンクー・フ・ナ・コンスーは、汝の民の内より高みに到達せり。 彼は『光』の中にあるものをかき集め、 『黄泉の国』(duat)が(それもまた)彼に開かれた。 見よオシリスたるアンクー・フ・ナ・コンスーは、 地上で人生の中で望んできた事全てを行う為に陽の下に来たり。」
父親の名前。 この綴りは彼が外国人であった事を示している。 発音の為の手掛かりは無い。(訳注2)
(訳注:前の『心臓』の語とは)違う単語で、 明らかに同義語ではあろうが、全然違う可能性もある。
原語の極めて恣意的かつ便宜的訳。(訳注4)
勿論オシリス神の事。
本文書は Gardiner A. and Gunn B., "STELE OF ANKH-F-NA-KHONSU", The Holy Books of Thelema (Samual Weiser, 1988) p253 - 254. の邦訳である。 いわずと知れた、 1904年に 『法の書』 の啓示をクロウリーに与えた銘碑のヒエログリフの訳である。
訳出にあたっては前掲書のAPPENDIX Aにある、 銘碑が展示してあったBoualeq博物館の訳或いは The holy books of Thelema に載っている現代の翻訳を参考にした。 これら3つの英訳の中でこのGardiner-Gunnの訳を選んだのは、 それらの中でこれのみが著作権上問題がないと判断した為である。
また、 同書にはこれらの文書の出版の経緯等も載っているので興味のある方は参照して貰いたい。 以下に訳注を列挙する。
ここでは神の固有名ではなく、 マート神の審判(天秤で心臓を計る) を受けてオシリス神と一体化した死者を表す。
Boualeq博物館の訳或いは現代の翻訳では、 「(アンクー・フ・ナ・コンスーと)同じ僧位だったベス・エン・ムート」 となっている。
Boualeq博物館の訳では、 「アメン・ラーに仕える女神官奏者、婦人タネック」、 現代の翻訳では「アメン・ラーに仕える奏者、婦人タネシー」となっている。
シストラムとは古代エジプト起源の打楽器。 幾つかの小さな金属の円盤を一つの輪でつなげたもの。
マートの法廷で死者の生前の行いを審査する48の神々の事。
(10/11/2003: I∴O∴S∴機関誌『ホルスの槍』10−1号に投稿した原稿に修正を加えた。)
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